FIRE COLUMN
FIREはいくら必要?生活費・年齢・家族構成別に考える現実的な目安

RELATED ARTICLE
資産6000万円でサイドFIREして、時間の使い方がどう変わったか
資産6,000万円でサイドFIREしたら、すべての不安が消えて、会社にも二度と戻りたくなくなる。FIRE前は、そんなイメージを持っていました。
wakuwaku-fire-git.pages.dev ↗
COMMUNITY
FIREを本音で話せる場所
ワクワクFIRE道。FIREや自由な人生を目指す人が交流できるコミュニティ。
community.camp-fire.jp ↗
FIREに必要な金額は、5000万円か6000万円か1億円か、数字だけで決められへん。30歳・資産6000万円で会社を辞めた僕の経験を交えながら、生活費と「少し働く」を含めて、必要額の考え方を話します。
「FIREするには、いくら必要ですか?」と聞かれることがあります。
この質問に、資産額だけで答えるのはむずかしい。僕は30歳のとき、資産6000万円で会社を辞めてサイドFIREを始めました。今はFIRE6年目。だから、6000万円という数字を自分の体で試した側ではあります。
でも、「6000万円あれば誰でもFIREできるで!」とは全く思っていません。むしろ、そこはかなり慎重に見たほうがええな、というのが今の感覚です。生活費も家族構成も、相場が下がったときの心の強さも、人によって違う。数字だけ同じでも、暮らしの中身は別物なんよな。
FIRE直後の僕は、ゲーム三昧になった時期もありました。自由になれたのは最高でしたが、毎日やることが決まっていないと、自由な時間に自分が飲み込まれる。ほんまに、FIREは会社を辞めた瞬間に人生上がり、ではありません。
なので、ここからはよくある計算式だけで終わらせず、僕が6000万円で会社を辞めてから感じたことも含めて、FIRE必要額の話をします。
30歳、6000万円で会社を辞めた。けど「これで一生安心」ではなかった
僕がFIREしたとき、資産は6000万円でした。30歳で会社を辞めるには、世間から見れば十分大きな金額やったと思います。自分でも「これでしばらくは大丈夫やろ」と思っていました。
実際、会社に毎日通わなくていい生活は快適です。朝の時間を自分で決められる。嫌な人間関係から離れられる。平日の昼間に好きなことができる。これは、ほんまにありがたいことでした。
一方で、自由になったら不安が消えるわけではありません。資産が減れば気になるし、将来の生活費も気になる。FIRE後にゲーム、YouTube、コミュニティ、文章、トレードなど、いろんな活動を試してきましたが、「会社を辞めたから、もう何も考えなくていい」にはなりませんでした。
2024年には、資産が1億4000万円前後まで増えた時期もあります。それでも、資産が増えたら心配が消えるかというと、そうでもないんよな。その後に大きく減らした時期もあり、数字が増える喜びと、減る怖さの両方を知りました。
だから今、FIRE必要額を聞かれたら、最初に「あなたの年間生活費はいくらですか」と聞き返します。6000万円という僕の数字を、そのまま他人の答えにしてはいけません。
FIREはいくら必要?最初に1年分の生活費を出す
FIREに必要な資産額を考えるとき、年齢やSNSで見かける「1億円」という数字から入ると、話がややこしくなります。先に、自分が1年間にいくら使っているかを出す。そのほうが早いです。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険、車。ここまでは出しやすい。でも、税金、健康保険、旅行、家電の買い替え、病院、冠婚葬祭、家族のイベントは抜けやすい。毎月の家計簿だけ見ていると、年に数回の大きな出費を忘れてまうんよな。
たとえば、毎月の生活費が20万円なら、単純な年間生活費は240万円です。25万円なら300万円、30万円なら360万円。この年額を土台にして、資産運用からいくら取り出すのかを考えます。
| 毎月の生活費 | 年間生活費 | 4%で割った目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 240万円 | 6000万円 |
| 25万円 | 300万円 | 7500万円 |
| 30万円 | 360万円 | 9000万円 |
| 40万円 | 480万円 | 1億2000万円 |
この表は、年間生活費を0.04で割っただけの単純計算です。月20万円の生活なら6000万円、と一見きれいに出ます。でも、これは「6000万円あれば絶対に足りる」という意味ではありません。税金や社会保険、物価上昇、運用成績、家族の変化まで自動で面倒を見てくれる数字ではないからです。
4%ルールは答えやなく、考え始めるための定規
FIREの話では、年間生活費を資産の4%以内に収める考え方がよく出てきます。年間300万円が必要なら、300万円÷0.04で7500万円。計算自体はシンプルです。
ただ、4%という数字だけを握りしめて退職するのは危ない。使う年齢も、資産の中身も、相場の状況も、人によってちゃうからです。FIREした直後に大きな下落が来るのか、生活費以外の収入があるのか、住まいをどうするのか。それだけでも必要な余裕は変わります。
ぶっちゃけ、僕も「この金額なら完全に安心」と言える線を持てていたわけではありません。資産が増えたときは強気になり、減ったときは不安になる。人間、資産額に合わせて心まで機械みたいに安定はせーへんもんやな。
4%計算は、FIREできる・できないを判定する合格ラインではありません。自分の支出を見直すための定規くらいに置いておく。数字と現実のズレを確認するために使う。そのくらいがちょうどええと思います。
月20万円で暮らせても、FIRE後の支出はゼロにならない
月20万円で暮らせる人は、年間240万円。4%で割れば6000万円です。僕が6000万円でサイドFIREした話と重なるので、「じゃあ月20万円なら6000万円でいけるんや」と思うかもしれません。
でも、FIRE後の生活を「生存に必要な最低額」だけで作ると、あとで苦しくなりやすい。平日の昼に人と会う。ちょっと遠くへ出かける。家族と過ごす。新しい活動を始める。会社員時代には我慢していたことが、自由になった途端に生活の一部になることがあります。
僕自身、FIREしてから発信やコミュニティづくり、ゲーム、トレードなどを試しました。活動には道具代も交通費もかかるし、人と会えば食事代もかかる。自由になったのに、支出を一切増やさないというのは、なかなかできへんもんやな。
そこで、生活費を二つに分けて考えると現実が見えます。
- 住まい・食費・光熱費など、生活を維持するためのお金
- 旅行・交際費・趣味・挑戦など、人生を広げるためのお金
前者だけでFIREできる計算にしても、後者を全部我慢するなら、そもそもそのFIREは自分が望んだ暮らしなのか。ここは一回立ち止まったほうがいい。お金を増やす力だけでなく、お金を使って毎日をよくする力も、ほんまに大事なんやわ。
月5万円を稼ぐだけで、必要額の見え方は変わる
完全FIREは、生活費をすべて資産から出す設計です。一方で、資産で生活の土台を作り、不足分を少し働いて補うのがサイドFIREです。僕が選んだのも、完全に何もしない形ではなく、必要なら活動や仕事に戻れる余地を残すサイドFIREでした。
たとえば年間生活費が300万円で、毎月5万円の収入があるとします。年間60万円を自分で補えれば、資産から出すのは単純計算で240万円。4%で割ると、目安は6000万円になります。
もちろん、月5万円の収入が一生続く保証はありません。税金や経費もあります。それでも、資産だけで300万円を出す計画と、毎月5万円だけ自分で作る計画では、必要な資産額が変わる。これはかなり大きいです。
サイドFIREの強さは、必要額を下げることだけやありません。「もう一度、週5日で会社員に戻るしかない」という二択から逃げられることです。文章を書く、動画を作る、配達をする、小さな仕事を受ける。収入が少なくても、自分で選べる活動があると、資産の減り方に対する恐怖は少し変わります。
FIREは二度と働かないことではない。必要なら少し働く。この逃げ道を最初から持っておくと、FIREの必要額を現実的に考えやすくなります。
家族ができると、同じ資産額でも怖さが変わる
独身のときに作ったFIRE計画が、結婚して家族が増えたあとも、そのまま使えるとは限りません。食費や住居費だけでなく、教育、医療、移動、家族がやりたいことまで考える必要がある。自分一人の判断で、全部を決められなくなるんよな。
僕も、家族ができる前と後では、資産の値動きの見え方が変わりました。自分一人なら「まあ、下がっても何とかするか」と思える場面でも、家族の安心まで含めると同じようには考えられない。
これは、家族がいるとFIREできないという話ではありません。必要額を一人分の生活費だけで出さないこと。そして、資産が下がったときに何を守り、何を見直すのかを、家族と話しておくことです。
「資産がこれだけあるから大丈夫」と伝えるだけでは、安心は共有できません。どの家に住みたいのか、毎月いくら使いたいのか、働き方を変えた後の家事や育児をどうするのか。お金と役割を同じテーブルに出す。ここを避けたら、FIRE後に別の不満が出てきます。
資産が増えても不安は消えへん。減ったときの逃げ道を持つ
FIRE前は、「資産がもっと増えたら安心できる」と思いがちです。僕もそうでした。でも、資産が増えたら増えたで、今度は減らしたくなくなる。1億円を超えたら不安が消えるわけではなく、下落したときの金額が大きくなるだけの面もあります。
だから、FIRE必要額は増える場面だけで計算しないほうがいい。相場が下がったとき、物価が上がったとき、家族に大きな支出が出たとき、働く気力がなくなったとき。そこでどう動くかまで決めておくと、数字に振り回されにくくなります。
僕なら、退職前に次の逃げ道を書き出します。
- 生活費の何年分を、値動きの小さい資金として持つか
- 資産が一定割合下がったら、どの支出を見直すか
- 必要になったとき、どんな仕事や活動なら再開できるか
- 家族と守る支出、いったん止められる支出は何か
- 資産価格を見すぎて苦しくなったとき、どう距離を置くか
僕の中に、「自由過ぎると溺れる、自ら制約を課せ」という感覚があります。これはFIRE後の時間の使い方だけではなく、お金にも当てはまる。使っていい額、働く条件、相場を確認する頻度。先に自分で枠を作ったほうが、自由を長く楽しめます。
僕ならこうする。FIRE必要額を決める5つの手順
- 直近1年の支出を全部出す。毎月の固定費だけでなく、税金、保険、旅行、家電、医療、冠婚葬祭まで入れる。
- FIRE後に残したい生活を書く。最低限の生存費ではなく、会いたい人ややりたい活動に使うお金も含める。
- 完全FIREとサイドFIREを両方計算する。収入ゼロの場合と、月5万円・月10万円を補う場合を比べる。
- 家族と不安を言葉にする。相場下落時の行動や、生活費と役割分担まで話しておく。
- 資産以外の逃げ道を作る。現金、住まい、健康、人とのつながり、仕事に戻れる力を整える。
計算して1億円になったとしても、そこで終わりではありません。住む場所を変える、生活費を見直す、働き方を変える、サイドFIREにする。選択肢はあります。
逆に、6000万円と出ても、その数字だけで退職を決めるのは待ってほしい。自分の心が資産の値下がりに耐えられるか。家族と計画を共有できているか。FIRE後にやることがあるか。ここが決まっていないと、数字を達成しても落ち着かないんよな。
6000万円か1億円かより、どんな毎日を守りたいか
FIREに必要な資産額は、年間生活費を出して、そこから考え始めます。月20万円なら6000万円、月25万円なら7500万円、月30万円なら9000万円。単純計算なら、こういう目安は出せます。
ただ、僕が30歳・資産6000万円で会社を辞めた経験から言えるのは、金額はスタート地点にすぎないということです。FIRE直後のゲーム三昧も、資産が増えた時期も、減った時期も、家族ができて不安の種類が変わったことも、全部ひっくるめて今の考えがあります。
「FIREには1億円必要」という声に合わせる必要もないし、「6000万円で十分」と自分を急かす必要もない。自分はどんな毎日を送りたいのか。その毎日を守るために、資産と仕事と人とのつながりをどう組み合わせるのか。
ぶっちゃけ、必要額に唯一の正解はありません。あるのは、自分の暮らしに対して、自分で納得できる設計だけやな。数字をゴールにせず、選択肢を増やす道具として使う。僕はそれが、FIREを長く続けるための現実的な考え方やと思っています。