FIRE COLUMN
6000万円でFIREできる?30歳で会社を辞めた6年後のリアル

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資産6,000万円でサイドFIREしたら、すべての不安が消えて、会社にも二度と戻りたくなくなる。FIRE前は、そんなイメージを持っていました。
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6000万円でFIREできるのか。30歳で資産6000万円を作って会社を辞めた僕は、最初は自由に浮かれ、ゲーム三昧でだらけ、資産の増減に揺れ、今は家族の時間と小さな仕事を含めたサイドFIREを考えています。
6000万円でFIREできるん? この疑問は、FIREを考え始めた人なら一度は検索すると思います。
僕は30歳のとき、資産6000万円を作って会社を辞めました。そこから6年ほど、自由な生活を続けています。最初は「これで人生クリアや!」ぐらいに思っていましたが、実際はそうでもなかった。ゲーム三昧でだらけた時期もあれば、資産の増減に心を持っていかれた時期もあります。
だから、僕の答えは少しややこしいです。6000万円でFIREを始めることはできた。でも、6000万円が誰にとっても安心できる金額という意味ではありません。生活費、家族、働くかどうか、値動きへの耐性で、同じ金額の重さは変わるんよな。
30歳、資産6000万円で会社を辞めた
僕が投資に目覚めたのは28歳でした。そこから1日も休まず資産形成に向き合い、30歳で会社を辞めた。言葉にすると簡単ですが、当時の自分はかなり前のめりでした。
会社を辞めたい。自分の時間が欲しい。好きなことに熱中したい。そんな気持ちが先にあって、資産6000万円は、そのための切符のように見えていました。数字が増えるたびに、会社の出口へ近づいていく。資産形成がゲームのスコアみたいで、これはこれでめちゃくちゃ燃えたんです。
当時の僕は、FIRE後も何かしら活動するつもりでした。完全に収入ゼロで何十年も暮らすというより、資産を土台に、自分で選んだことをやる。今でいうサイドFIREに近い考え方です。
退職した日の解放感は、今でも覚えています。朝から会社へ行かなくていい。上司の予定に合わせなくていい。平日の昼間にラーメンを食べてもいい。あれは本当に最高でした。
FIRE直後は最高。でも、ゲーム三昧でだらけた
FIREした直後は、自由を全身で味わっていました。ゲームをする。動画を見る。昼寝する。外食する。気が向いたら旅行する。毎日が休日なら、一生楽しいに決まってるやん、と。
ところが、毎日休みになると、休日のありがたみが消えます。金曜日の夜の高揚感も、日曜日の夕方の憂うつもない。昨日も休み、今日も休み、明日も休み。時間はあるのに、日々の輪郭が薄くなっていきました。
僕はFIRE後、ゲーム三昧でだらけすぎて、心が腐りかけた時期があります。自由になったのに、何をしたらいいのか分からない。頑張らなくても生活できるから、頑張る理由も見つからない。ここはFIRE前には想像していなかった落とし穴でした。
その後、会社を作ったり、YouTubeを始めたり、コミュニティを運営したり、文章を書いたり、ゲームで稼いだりしました。全部がうまくいったわけではありません。むしろ、やめたものや失敗したものの方が多い。でも、自分から始める小さなプロジェクトが、少しずつ日常の芯になっていきました。
6000万円は「一生安心」の合格ラインではない
ここは誤解されたくないので、はっきり書いておきます。僕が6000万円で会社を辞めたからといって、6000万円あれば誰でも完全FIREできるわけではありません。
生活費が月15万円の人と、月40万円の人では、必要な資産が同じになるはずがない。住む場所も、家族構成も、住宅費も、医療費も違います。FIRE後に一切働かないのか、月に数万円でも収入を作るのかでも、設計は大きく変わります。
僕の場合は、会社を辞めたあとも活動するつもりがありました。足りなければ、ちょろっと働けばええやんという逃げ道を残していた。だから6000万円は「何もしなくても一生大丈夫」という金額ではなく、「働き方を自分で選び始めるには戦える金額」として見ていました。
反対に、完全に働かず、家族の生活費もすべて資産から出すなら、同じ6000万円でも緊張感はかなり増すと思います。金額だけを切り取って、勝ち確とか無理とか言うと、話が雑になってしまうんよな。
資産が増えた時期も、減った時期もあった
FIRE後の僕の資産は、一直線に増えたわけではありません。2024年11月のnoteでは、仮想通貨の時価が1億円を突破した一方、度重なるロスカットで7000万円ぐらいまで減った時期を振り返っています。同じ記事で、急落日に前日比マイナス約2224万円、別の急落で約2009万円という数字も書きました。
大きな数字を出すと、派手な成功談や失敗談に見えるかもしれません。でも、僕が伝えたいのは「この投資をすれば増える」という話ではありません。資産が数千万円単位で動くと、生活の自由より先に、心の自由がなくなることがある。そこが本当に怖かった。
さらに、2026年2月のnoteでは、2024年12月に1億4000万円以上あった資産が、下落のピークで一億円弱減ったと書きました。妻の不安と子どもの存在もあり、レバレッジだけでなく現物もかなり売却した。本人の中では「FIRE卒業」と表現するほど、大きな方針転換でした。
6000万円で始めて、その後に1億円を超えた時期があっても、不安が消えるわけではありませんでした。増えればもっと増やしたくなる。減れば取り返したくなる。数字が大きくなっただけで、人間の心が急に安定するわけやないんです。
FIREしたのに、チャートが上司になった
会社を辞めたら、上司から解放されると思っていました。ところが、朝にスマホを開いて株価や仮想通貨の値動きを見る。増えていれば機嫌がよく、減っていれば一日が暗い。いつの間にか、チャートが上司になっていたんです。
しかも、その上司は24時間働かせてくるブラック上司です。休みの日も関係ない。夜中も動く。上がっても下がっても気になる。自由になるために投資したのに、証券口座に感情を握られる。なんでやねん、という話です。
この経験をしてから、FIREの価値は残高だけでは測れないと思うようになりました。残高を見なくても家族とご飯を食べられる。散歩中にチャートを開かず、目の前の景色を見られる。必要なら少し働ける。そういう逃げ道があるほうが、数字を追いかけ続けるより現実的やなと感じています。
6年後に分かった、サイドFIREの強さ
2025年のFIRE5年目には、自由すぎる生活の中で、強制力や人との会話がなくなる難しさを書きました。それでも、FIREしたこと自体は良かったと思っています。問題が出たら、生活の形を変えられる余地があったからです。
僕は「働いたらFIRE失敗」とは考えていません。資産が減ったら少し稼ぐ。社会とつながりたくなったら活動する。面白そうな仕事を見つけたら試す。嫌になったらやめる。これができるのは、FIRE後の大きな強みです。
サイドFIREは、完全FIREに届かなかった人の妥協案ではありません。資産と仕事を組み合わせて、会社員という一つの収入源だけに人生を預けない形です。週5日で働くか、完全に無職になるか。その間に、かなり広い選択肢があるんよな。
今の僕は、ラーメンを食べて散歩しながら暮らしている
最近の僕の一日は、キラキラしたFIRE生活とはだいぶ違います。子どもの朝ご飯を用意して、保育園へ送り、洗濯や家事をする。その合間にYouTubeや文章、コミュニティの企画を考える。昼にラーメンを食べて、散歩しながら次の言葉を探す。夕方に迎えに行って、風呂とご飯と寝かしつけです。
高級ホテルのプールサイドでパソコンを開く場面はありません。そもそも、まぶしいし水がかかるし、家でやったほうがええ。FIRE後の現実は、だいたい生活です。
ただ、会社員時代との違いは大きい。子どもの急な予定に対応できる。体調が悪ければ休める。家族との時間を優先できる。昼の散歩で頭を整理できる。派手さはないけれど、この普通の時間を自分で選べるのは、僕にとってかなり大きいです。
お金はあとから増やせる可能性があります。仕事も、また始められるかもしれない。でも、小さな子どもの今の時間は買い戻せません。FIREの自由は、自分が遊ぶためだけにあると思っていたけれど、大切な人のそばにいられることも自由なんやわ、と後から分かりました。
6000万円でFIREを考える前に、決めておきたいこと
僕の経験から、金額を見る前に考えておいたほうがいいことを並べます。どれも正解を押しつける話ではなく、退職後に「こんなはずやなかった」とならないための確認です。
- 毎年いくら使うか。毎月の生活費だけでなく、税金、住まい、医療、旅行、家電の買い替えまで、年単位で出しておく。
- 完全FIREかサイドFIREか。収入ゼロを目指すのか、少し働く余地を残すのかで、必要な資産も気持ちの持ち方も変わる。
- 資産が減ったときの行動。支出を下げるのか、仕事を始めるのか、投資方針を見直すのか。暴落してから考えると、判断が荒くなりやすい。
- 普通の平日に何をするか。旅行や趣味だけでなく、何も予定がない火曜日の午後をどう過ごすかまで想像する。
- 家族と話しているか。自分の資産額だけでなく、生活費、役割、働き方、守りたい暮らしを一緒に確認する。
特に、最後の二つは後回しにしないほうがいいです。FIRE後の空白は、退職してから急に埋まるものではありません。自由すぎると溺れる、自ら制約を課せ。これは僕が実際に感じたことです。
6000万円でFIREできるかは、金額だけでは決まらない
僕は6000万円でFIREを始めました。自由を味わい、だらけ、資産を増やし、大きく減らし、家族との暮らしを作り、今も働き方を調整しています。
この6年を振り返って、「6000万円でFIREして正解だった」と単純に言うつもりはありません。あの金額で会社を辞めたからこそ見えたものがあり、同時に、資産と心の扱い方で何度も失敗しました。
6000万円で足りる人もいるかもしれない。足りない人もいる。大事なのは、他人の数字を自分の合格ラインにしないことです。自分の生活費、家族、働く意思、資産が減ったときの逃げ道を、自分の言葉で考える。
FIREは人生上がりじゃない。自由になってから、どんな日々を作るかのスタートです。資産だけでなく、家族との時間、話せる仲間、好きなこと、小さな仕事も育てておく。そうすれば、6000万円という数字に人生全部を預けずにすみます。
僕もまだ途中です。今日も散歩しながら、次に何を作ろうか考えています。迷うし、ぶれるし、たまにチャートも見てしまう。それでも、自分で選び直せる余白がある。僕が6年後に残ったFIREの価値だと思っているのは、そこです。