FIRE COLUMN
サイドFIREとFIREの違いとは?必要資産はいくら変わる?

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サイドFIREとFIREの違いは、働く収入を生活設計に残すかどうかです。月5万・10万・15万円を得る場合の単純な比較を置きながら、必要資産だけでは決められない理由を整理します。
サイドFIREとFIREの違いを調べると、「働くか、働かないか」の二択のように見えます。でも、実際に考えるべきなのは、生活費のうち何円を資産で支え、何円を働いて補うかです。
ここでいうFIREは、生活費を資産収入や取り崩しでまかない、働かなくても暮らせる状態を指します。サイドFIREは、資産を土台にしながら、仕事や副業、発信などの収入も組み合わせる形です。どちらもFIREの考え方ですが、必要資産と日々の手札が変わります。
僕は30歳で資産6000万円を作って会社を辞めました。そこから資産が増えた時期も、大きく減った時期もあった。だから「この金額なら一生安心」とは言えません。数字を置くときは、比較のための仮定と、本人の経験を分けて見てください。
サイドFIREとFIREの違いを表で見る
| 比べる点 | 完全FIRE | サイドFIRE |
|---|---|---|
| 生活費の支え | 資産収入・取り崩しを中心にする | 資産+仕事や活動の収入 |
| 必要資産 | 生活費のほぼ全額を支える必要がある | 働く収入の分だけ不足額を小さくできる |
| 仕事の位置づけ | しなくても生活できる前提 | 必要な分、好きな分だけ選ぶ |
| 資産下落への対応 | 支出を下げる、取り崩しを抑える | 働く量を増やす選択肢を持ちやすい |
| 自由の形 | 仕事から離れて時間を使う自由 | 嫌な仕事を断り、働き方を組み替える自由 |
サイドFIREは、完全FIREより下位の形ではありません。働くことを残すからこそ、必要資産を抑えられたり、社会との接点を保てたりする。逆に、働く収入を楽観的に置くと、計画が崩れます。強みと弱みが表裏になっているんです。
月5万・10万・15万円で必要資産はどう変わるか
下表は、計算の仕組みを見るための仮の例です。生活費を月20万・25万・30万円、資産からの不足分に年4%を掛ける単純計算で並べています。税金、手数料、物価上昇、相場の下落、働けない期間は入っていません。読者に保証する金額でもありません。
| 月の生活費 | 月の労働収入 | 資産で補う月額 | 4%仮定の必要資産 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 0円 | 20万円 | 約6,000万円 |
| 20万円 | 5万円 | 15万円 | 約4,500万円 |
| 20万円 | 10万円 | 10万円 | 約3,000万円 |
| 20万円 | 15万円 | 5万円 | 約1,500万円 |
| 25万円 | 0円 | 25万円 | 約7,500万円 |
| 25万円 | 5万円 | 20万円 | 約6,000万円 |
| 25万円 | 10万円 | 15万円 | 約4,500万円 |
| 25万円 | 15万円 | 10万円 | 約3,000万円 |
| 30万円 | 0円 | 30万円 | 約9,000万円 |
| 30万円 | 5万円 | 25万円 | 約7,500万円 |
| 30万円 | 10万円 | 20万円 | 約6,000万円 |
| 30万円 | 15万円 | 15万円 | 約4,500万円 |
同じ生活費でも、月10万円を働いて補えると、完全FIREの計算より必要資産の線がかなり下がります。ただし、月10万円の「売上」と、税金や経費を引いた後に生活へ使えるお金は違う。毎月必ず働けるとも限りません。数字は余裕を持って置くのが前提です。
僕は6000万円で会社を辞めたが、人生は完成しなかった
僕が30歳で会社を辞めたとき、資産6000万円は大きな安心材料でした。会社員としての働き方から離れ、平日の昼に散歩できる。好きなことへ時間を出せる。最初は「これで勝ちや!」ぐらいの勢いもありました。
ところが、FIRE後はゲーム三昧になったり、予定を自分で作れず時間の濃度が薄くなったりしました。資産があるから自動的に充実するわけではない。会社がくれていた生活リズム、会話、役割まで自分で作り直す必要があったんです。
さらに、投資で大きく勝った時期もあれば、2024年の約5000万円の損失や、2026年に過去のピークから一億円弱減った経験もあります。資産が減ったときに、「もう働かない」と意地を張るより、必要なら稼ぐ手札を残すほうが現実的やと考えるようになりました。
完全FIREが合う人、サイドFIREが合う人
完全FIREを検討しやすい人
- 生活費と将来の大きな支出を、資産から無理なく支えられる人
- 仕事の収入がなくても、日々のリズムや人との接点を作れる人
- 資産が下がったときの支出調整を、家族と話し合えている人
- 「働かないこと」そのものを大切にしたい人
サイドFIREを検討しやすい人
- 生活費の一部を働いて補うことで、早く会社から離れたい人
- 嫌な仕事は避けたいが、好きな活動や短時間の仕事は続けたい人
- 資産が減ったら仕事を増やすという切り替えができる人
- 家事育児、発信、地域とのつながりも含めて役割を持ちたい人
サイドFIREでも、働くことが苦手なら無理に選ぶ必要はありません。逆に、完全FIREできる資産があっても、働くことで元気になる人はいます。仕事を嫌いなものとして固定せず、選択肢として見ることが大切です。
必要資産を考えるときに外せない4項目
- 生活費の最低ライン。家賃、食費、通信費だけでなく、税金や保険、年払いの支出まで含める。
- 働く収入の現実性。売上ではなく、経費や休む期間を引いた後に使える額で考える。
- 資産が減ったときの手札。支出を下げる、働く、住む場所を変えるなど、先に複数の案を持つ。
- 家族の合意。自分の自由だけでなく、家族の安心と時間も同じ表に置く。
4%という数字だけで退職を決めると、計算はきれいでも生活が荒れます。運用益が一定でない以上、現金の置き場や取り崩しの順番も必要です。詳しい計算は、前提を変えながら何度か試してみる。ここをサボったらあかんところです。
サイドFIREとFIREの間に、たくさんの形がある
完全FIREかサイドFIREかを、人生の合否みたいに考えなくていい。週1日だけ働く、半年休んでから仕事をする、家事育児を主な役割にする、発信を小さく続ける。資産と時間と役割の組み合わせは、人の数だけあります。
僕も「資産が増えたら終わり」と思っていた時期から、必要なら働く、家族のために時間を使う、資産だけに幸福を預けない、という考えに変わりました。FIREは一度達成したら形を変えられない制度やないんです。
ぶっちゃけ、必要資産の答えは他人の数字を見ても出ません。自分の生活費と、働くことへの距離感を書いてみる。そのうえで、資産が減ったときにも選べるなら、サイドFIREはかなり強い。働かない自由も、働く自由も、どちらも切り札にしておけばええんやと思います。