FIRE COLUMN

FIREしたい理由を聞いてみて、僕が考え直したこと

FIREの考え方
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「なぜFIREしたいのですか?」と聞かれたとき、資産額や利回りの話だけでは答えきれない人が多いのではないでしょうか。のんびりしたい、家族と過ごしたい、働く量を自分で決めたい。反対に、定年まで働きたくない、忙しすぎる、お金が不安という理由もあります。

「なぜFIREしたいのですか?」と聞かれたとき、資産額や利回りの話だけでは答えきれない人が多いのではないでしょうか。のんびりしたい、家族と過ごしたい、働く量を自分で決めたい。反対に、定年まで働きたくない、忙しすぎる、お金が不安という理由もあります。

ワクワクFIREコミュニティで、FIREした理由・目指す理由についてアンケートを実施しました。複数回答を含み、ポジティブな理由は152票、ネガティブな理由は82票です。特定の社会全体を代表する調査ではありませんが、FIREを目指す人が何を求め、何から逃れたいのかを考える材料にはなります。

ポジティブな理由から見える「欲しいもの」

手に入れたい未来として挙がった理由は、次のようなものでした。

  • とにかくのんびりしたい
  • 家族との時間を増やしたい
  • 一人の自由時間を増やしたい
  • 好きな趣味に没頭したい
  • 自分で仕事量を決めたい
  • いつでも会社を辞められるお金を持ちたい
  • 好きな仕事や大きな挑戦をしたい
  • 好きな場所で暮らしたい

こうして並べると、多くの理由は「お金持ちになりたい」ではなく、「時間の使い方を自分で決めたい」に集約されます。平日の空いている時間に外食することも、子どもの体調不良にすぐ対応することも、趣味に集中することも、共通しているのは時間の主導権です。

のんびりする時間は、怠けではない

FIREというと、旅行や高級な暮らしを想像する人もいます。しかし、アンケートで最初に出てくるのは、派手な消費よりも「とにかくのんびりしたい」という気持ちでした。

何もしない時間は、家計簿上は利益を生みません。でも、疲れた状態で判断を誤らない、家族に余裕を持って接する、散歩の途中で考えを整理する。こうした回復の時間は、生活の質を支えます。

家族との時間は、後から買い戻せない

家族と過ごす時間を増やしたいという理由も多く見られました。子どもの成長、家族の体調、親のケアは、仕事が落ち着くまで待ってくれるとは限りません。

お金は、後から増やせる可能性があります。けれど、1歳の子どもと過ごす1歳の時間は、その年齢のまま戻ってきません。FIREの価値は、豪華な旅行をいつでもできることだけではなく、大切な人に「今」時間を使えることにあります。

一人の時間と、趣味に没頭する時間も必要

家族との時間が大切でも、自分一人の時間が不要になるわけではありません。仕事、家事、育児が続くと、自分の機嫌を自分で取り戻すための時間がなくなります。

毎日30分しかなかった自由時間を、2時間や3時間に増やす。それだけでも生活の感触は変わります。時間を忘れて取り組める趣味がある人は、FIRE後の一日を作りやすいでしょう。趣味が決まっていない人も、複数の小さな体験から探せば大丈夫です。

「働きたくない」は、悪い理由ではない

ここからは、逃れたい現状の話です。ネガティブな理由として、定年まで働きたくない、仕事が忙しく自由時間がない、お金の不安がある、停滞感がある、健康面が心配、今の仕事が嫌い、人間関係をリセットしたい、といった声がありました。

「働きたくない」と言うと、怠けているように見られることがあります。でも、仕事で心身をすり減らし、家族との時間を失い、健康を壊しそうなら、そこから離れたいと思うのは自然です。仕事を嫌う気持ちが、自分の人生を変える入口になることもあります。

大切なのは、逃げたい気持ちを否定しないことと、逃げた後の生活を考えることの両方です。

お金の不安は、資産額だけでは消えない

資産を増やせばお金の悩みがすべて解決すると思いがちですが、1,000万円なら2,000万円、3,000万円なら5,000万円と、目標が動くことがあります。資産が増えると、失う恐怖が増える場合もあります。

お金の不安を減らすには、資産額のほかに、生活費、働き方、支出を下げる余地、家族との合意を考える必要があります。完全FIREでなくても、少ない労働で暮らせる状態、いつでも会社を辞められる状態は作れます。

アンケート結果を、FIREの設計に変える

ポジティブな理由とネガティブな理由は、どちらか一方だけが本音ではありません。「仕事から逃れたい」と「家族と過ごしたい」は両立します。「お金が不安」と「好きなことに挑戦したい」も同時に存在します。

自分の理由を、次のように分けて書くと、FIRE後の生活が具体的になります。

問い書く内容
何から逃れたいか仕事の量、通勤、人間関係、お金の不安など
何を手に入れたいか家族との時間、趣味、一人の時間、挑戦など
普通の一日はどうしたいか朝から夜まで、誰と何をするか
少し働くなら何を選ぶか仕事量、時間、収入、働く場所の条件

「逃げたい」だけで会社を辞めると、自由になった後に目的を失う可能性があります。一方で、「何かをしたい」と思うまで我慢し続ける必要もありません。逃げる理由を出発点にして、手に入れたい日常を少しずつ設計すればよいのです。

このアンケートを、自分の答えに置き換える

今回の票は、コミュニティ内で集めた複数回答の結果です。年代、家族構成、資産額、参加者の関心によって偏りがあります。そのため、「FIREを目指す人は全員こう考えている」と読むのではなく、自分の理由を言葉にするきっかけとして使うのが適切です。

理由は、時間とともに変わっても構いません。独身のときは趣味、結婚後は夫婦の時間、子どもが生まれた後は送迎や育児、資産が増えた後は挑戦。FIREの目標は、最初に書いた理由を一生守る契約ではありません。

半年ごとに「今、何から逃れたいのか」「今、何を増やしたいのか」を書き直すと、資産形成が目的から手段へ戻ります。

FIREを考えるための3つの質問

  1. 仕事を辞めた翌週に、誰とどんな時間を過ごしたいか
  2. 今の生活で、あとから取り戻せない時間は何か
  3. 資産が十分でなくても、少しだけ先に変えられることは何か

答えが「まだ分からない」でも問題ありません。休みたい、逃げたいという感情を否定せず、小さな自由を試しながら、欲しい暮らしの輪郭を作っていけばいいのです。

完全FIREの前に、小さなFIREを試す

アンケートの理由を読んで、「自分も時間が欲しい」と思ったとしても、いきなり会社を辞める必要はありません。残業を一日減らす、週末の予定を一つ自分のために使う、生活費の一部を資産収入でまかなう、働く時間を少し短くする。小さな自由を先に試す方法があります。

小さなFIREを経験すると、自分が本当に欲しいのが休息なのか、家族との時間なのか、仕事を選ぶ権利なのか分かりやすくなります。想像だけでFIRE後を決めるのではなく、現在の生活に小さな実験を入れて、体感から計画を更新していくのです。

理由が変わったら、目標も変えていい。FIREは一度作った設計図に自分を合わせる活動ではなく、自分の生活に合わせて設計図を描き直す活動です。

そのため、FIREの目標額を計算するときも、生活費を一つの数字にまとめないほうが現実的です。最低限必要な支出、家族との時間に使うお金、挑戦のための予算、相場が悪いときに減らせる支出。理由ごとに分ければ、「すべてを満たすまで何も変えられない」という考えから少し離れられます。

目標額は、時間の希望を実現するための道具です。道具を増やすことだけを目的にしないようにします。

お金の計画と同時に、時間の使い方を一つ試してみる。そこから得た実感を、次の目標額や働き方の検討へ戻す。この往復が、数字だけではないFIRE設計になります。

理由を言葉にできるほど、FIREは「周囲に見せる称号」ではなく、自分の生活を守る計画になります。

まとめ:FIREの入口は逃げでもいい

今回のアンケートから見えたのは、FIREで本当に欲しいものは、お金そのものより時間の主導権だということです。のんびりする、家族と過ごす、一人になる、趣味に没頭する、仕事量を選ぶ。どれも自分の時間を自分に戻すための理由です。

FIREを目指す理由がネガティブでも問題ありません。定年まで働きたくない、今の仕事から逃げたい、お金の不安を減らしたい。その気持ちは、人生を変えるためのエネルギーになります。

ただし、逃げた後の普通の一日も考えておく。どんな仕事なら少し続けたいか、誰と過ごしたいか、何を楽しみたいか。FIREは、逃げることと、次の生活を作ることの両方で完成に近づきます。

FIREの理由は、資産形成の優先順位にも影響する

家族との時間が最優先なら、生活防衛資金や働き方の柔軟性を重視するかもしれません。趣味や挑戦が目的なら、挑戦に使う予算を最初から確保したほうがよい。お金の不安が中心なら、資産額だけでなく、支出を下げる余地や小さな収入源を確認する。

同じFIREでも、理由が違えば準備も違います。誰かの必要資産額や投資比率をそのまま真似るのではなく、自分が欲しい時間から逆算して、守るものと試すものを決めます。

参考にした公開note:FIREしたい理由を聞いてみて、僕が考え直したこと